Prospectorファームウェアの選択肢
この記事では、Prospector ドングル(carrefinho氏によるZMK対応ディスプレイ付きドングル)を活用するためのさまざまなファームウェアとその使い方を紹介します。
使用目的に応じて、ZMKの中央デバイス(Central)として使う方法や、BLEスキャナーとして使う方法など、複数の選択肢があります。
①Prospectorをドングル(中央デバイス)として使う
Prospectorは本来、Central(中央デバイス)として設計されています。
通常、ドングルがない場合は左手側のボードが中央デバイスとして機能し、右手側などのPeripheral(周辺デバイス)をBluetoothで接続します。
ドングルを使用する場合、Prospectorドングルが左手側の代わりに中央デバイスとなり、左右のボードはドングルに接続されるPeripheralデバイスになります。
Prospectorドングルを使う利点
- USB接続モードでPCに直接接続できる
→ Bluetooth接続が制限される職場でも利用可能。 - 複数PCの切り替えが簡単
→ ドングルを差し替えるだけで接続先を変更できる。 - KVMスイッチとの併用が容易
→ Bluetoothプロファイルの切り替えを減らせる。 - 左手側のバッテリー寿命が長くなる
→ Peripheralとして動作するため消費電力が減少。
⚠️ 注意点:
この構成では、左右のボードはドングル経由でBluetooth接続されます。
したがって左手側を直接PCへBluetooth接続することはできなくなります。
② Prospector オリジナルファームウェア
Prospectorは、carrefinho氏(https://github.com/carrefinho)が開発した画面付きZMKドングルです。
公式のZMKモジュールは以下のリポジトリから入手できます。
https://github.com/carrefinho/prospector-zmk-module
このオリジナルファームウェアでは、ドングル上の画面に以下のような情報を表示できます。
- 現在のアクティブレイヤー
- 分割キーボードの各バッテリー残量
- 接続ステータス(接続中/未接続)
- Caps Word(キャップスワード)インジケータ
この構成では、ProspectorドングルがPCに接続される中央デバイスとして機能します。
③ YADS(Yet Another Dongle Screen for ZMK)
もう一つの選択肢として、janpfischer氏による
YADS(Yet Another Dongle Screen for ZMK) というファームウェアがあります。
このファームウェアでは以下の情報を表示可能です。
- 入力速度(WPM: Words Per Minute)
- 接続状態(USB / BLE)
- 現在のアクティブレイヤー
- 修飾キー(Mod)の状態
- バッテリー残量
また、bwshockly氏がYADSをベースに改良した「Cornix + Prospector」版も公開されています。
詳細は Reddit の投稿をご覧ください。
https://www.reddit.com/r/ErgoMechKeyboards/comments/1ofuiqf/custom_cornix_dongle/

bwshockley氏によるCornix+Prospectorファームウェアのスクリーンショット https://www.reddit.com/r/ErgoMechKeyboards/comments/1ofuiqf/custom_cornix_dongle/
bwshockley氏による「Cornix + Prospector」カスタムファームウェアの動作デモ
④ Prospectorを「スキャナー」として使う
ProspectorをZMKドングルではなくBLEスキャナーとして使う方法もあります。
この構成では、ZMKキーボードが発信するBluetoothステータスを受信し、画面に表示します。
この用途向けのファームウェアは、t-ogura氏(https://github.com/t-ogura)によって開発されており、リポジトリはこちらです。
https://github.com/t-ogura/zmk-config-prospector
Prospector Scannerの特徴
- キーボード側の設定変更が不要
→ 中央デバイスの指定を変える必要がない。 - ドングルなしでPCと接続可能
→ キーボードは従来どおりBluetoothデバイスとして機能。 - ペアリング不要で情報取得可能
→ アクティブレイヤー、バッテリー残量などを表示。
また、t-ogura氏はProspectorにバッテリーを組み込む
非常にクールな改造例も紹介しています。